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世界的に知られる展示会「東京モーターショー」のブース装飾について解説します。エンタメ要素の強い展示会で目立つためのポイントも紹介します。
日本自動車工業会が主催する東京モーターショーは、自動車メーカー各社の自動車に関する最新技術、新型自動車、関連製品などを紹介する見本市です。自動車メーカーだけでなく、タイヤや部品メーカーも参加可能。
フランクフルトモーターショー(ドイツ)、北米国際オートショー(アメリカ合衆国)、パリサロン(フランス)、ジュネーヴ・モーターショー(スイス)とともに世界5大モーターショーと呼ばれています。
東京モーターショーの役割は2つ。国内外の自動車メーカーが多くのV新型車を発表する場としての役割もありますが、メインはエンターテイメントショー。市販しないコンセプトカーの展示や未来的な実験車の展示など、来場者を楽しませるショーが本来の目的です。そのため多くの展示会とは違い、BtoBだけでなく一般消費者とのBtoCの繋がりを持てます。
第1回の開催は1954年。出展会社数は254社、入場者数は547,000人でした。数回の休催を挟みながら、2017年には第45回を迎えた東京モーターショー。2011年からは東京ビッグサイトで行われています。
最も盛況だったのは1991年で、出展会社数は336社、入場者数は2,018,500を数えました。現在では少子高齢化や景気の低迷、若者を中心とした車離れの影響を受け、2017年に出展会社数153社、入場者数は771,200人と減少傾向に。しかし日本車は世界的に評価が高く、自動車ファンからの根強い人気のある大規模イベントです。
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家電製品や産業機器、宇宙システム、社会インフラまで幅広くラインナップする電気メーカーの展示です。様々な事業で培ってきたノウハウを集めた先進技術を、コンセプトカーに搭載。展示するメインステージは、赤と青の角状のルーフで未来感を表現しています。
シートベルト、スイッチ、ステアリングホイールなどの自動車用品製造メーカーの展示です。LED照明で全体をブルーに発光させながら徐々に色を変化させ、PR映像をブースに直接投影することで印象的なデザインになっています。
日本の2輪車・4輪車のメーカーの展示です。出展台数は2輪と4輪合わせて30車種。EVコンセプトカーを中心に置き、多くの4WDカーで培った技術をアピールしています。
変速機や自動車部品の開発・製造・販売を行っている企業の出展ブース。出展製品は、新開発の小型FF車用・軽自動車用・CVTや、バーチャルドライビング、フューチャーコンセプトなどです。白を基調にしたデザインで、企業カラーの黄緑を配し、アクセントに黄色と水色を入れたシンプルな配色。筒状看板はセンス良くカッティングされ、圧迫感の少ない空間を演出しています。壁面にはバーチャルドライビングを体験できるコーナーが設けられ、通路側にはメインの製品を乗せる展示台を設置。視覚と体験で楽しませてくれるブースです。
大手自動車メーカーの大規模ブース。企業カラーの赤と黒、白で構成された、アトラクションのようなデザインです。暗い場内にいくつものスポットライトが設置され、LED照明も手伝って、車のツヤ感と雰囲気を一層盛り上げています。人の手で作られた真っ白な坂道を、真っ赤な車が滑り降りてくる様子は圧巻です。他の車もバランスよくディスプレイされ、それぞれ多くの人で賑わっています。
カーエレクトロニクス事業をはじめ、医療・健康機器関連、光ディスクなどの事業を展開する、大手企業の出展ブースです。出展製品は、走行空間センサーやコンセプト・コックピット、レーザースキャンなど。ブースの天井には、レーザービームのような照明が通路から巨大モニターへ向かって伸びています。暗い場内では、来場者の注目を集めてやみません。ブース中央部に、メインの製品を置く大きな展示台を設置したことで、全体のバランスが整っています。
自動車部品や輸送用機械器具部品、建設機械部品、農業機械部品、家具、医療機械器具などの製造・販売を行っている企業の出展ブース。上部看板には大きくロゴが掲げられ、サイドにも小さなロゴを掲示。ブース脇のパネルをはじめ随所に社名を入れることで、認知度アップを図ります。上部看板と壁面パネルの上部にレインボーカラーを配し、華やかさをプラス。ブース内に3台のシミュレーション設備を設置し、体験型ブースとして来場客を集めます。
タイヤ、アルミホイール、ゴルフ用品、テニス用品、医療用精密ゴム部品などを製造・販売する企業です。ブース上部に企業のロゴを大きく掲示し、展示台や受付の背後にも印字しています。壁を極力作らず、オープンな作りに。メインの展示台には複数のタイヤが円を描くように置かれ、来場者が自ら回って見られるようになっています。モニターは上部に2台設置。傾斜をつけて光の反射を防ぎ、来場客が見やすいように配慮されています。
自動車のエンジンやトランスミッションなどの部品開発・販売、工作機械・風力発電機などのサービスを展開する企業のブース。出展製品は、車高調整システム、フォーミュラEのシミュレーター体験、気筒エンジンモデルなどです。企業のロゴをブース上部に掲示し、イメージカラーの緑をポイントで採用した、シンプルでサイエンスチックなブース。大きなモニターや展示台、車などがバランスよく配置され、来場者に期待感を持たせます。
家庭電器をはじめ、タービン発電機や大型映像表示装置などの充電システム、産業メカトロニクス、電子デバイスなどの製造・販売を行っている大手メーカー企業のブースです。配色は黒とシルバーでまとめられ、一部にシャープなエッジを効かせた、未来的なイメージを感じさせるデザイン。ブース上部や壁面、通路側の展示コーナーなど、大小さまざまなモニターを設置し、展示システムや製品の魅力を体感できる、躍動感あふれるブースになっています。
ドイツの自動車メーカーのブース。床から少し段差をつけた展示台の上に、ずらりと製品が並べられています。広々とした大空間に、ショールームが丸ごと一軒できあがっているようです。建物は白と黒で配色され、黒地に「PORSCHE」の文字が浮かび上がっています。さらに一段高さをつけ、メインの製品を展示。サイドには詳しい製品情報を見ることができる空間が設けられ、車を眺めながら、じっくりと製品情報を知ることができます。建物内の右手側には、ダイニングテーブルと椅子、高級感のある応接セットが設置されており、来場者と落ち着いて商談できる設備が整っています。
スパークプラグをはじめ、機械工具、グロープラグ、センサ、医療関連製品などの製造・販売を行っている企業。展示製品は、全固体電池や高周波用途多層LTCCなどです。上部看板には、製品名「TNK」「NGK」を大きく掲げ、ブース内の天井には製品をイメージした装飾が施されています。ロゴと装飾の配色を合わせることで、来場者に視覚で楽しませ、展示品をより魅力的に見せます。
ICTの力で車を進化させる、Vehicle-ICT事業に取り行くむ企業です。出展内容は、タクシー配車システムや、リモートマルチアングルビジョン、超指向性スピーカー、最新カーナビゲーションなど。企業ロゴを正面上部に大きく掲示し、その下にはカーブをつけた展示パネルを設置。キャッチコピーとLEDパネルで、製品の魅力を伝えます。
東京モーターショーのような広い会場ではメインの道路幅が10m以上となるため、展示ブースをデザインする時にはブースの企業ロゴやキャッチコピーなどを記した看板やサインが通路から良く見えるようにしなければなりません。
最近はSNSやインスタグラムも重要な宣伝効果を持っているので、来場者が写真撮影する時にどこからでもロゴが移りこむようにロゴを設置する必要があります。
また自動車の展示の場合、機能だけでなく見た目も美しく見せることが大事です。来場者が是非欲しいと思うような、そのブランドらしい心に訴えるようなブースデザインをすることも重要です。