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展示会に参加するだけで集客につながるとは限らず、成功させるためにはデザインに力を入れるべきであることについて解説します。
集客率を高めるためには、人目を引く目立つブースであることが1番!しかし、どのように目立たせるかが成果を左右させるポイントになります。ここでは、多くの企業が陥りがちなNG例と、消費者の心理プロセス「アイドマ(AIDMA)」を踏まえたブース設計について解説しています。
どのようなブースをつくるか悩んでいる時は、過去の事例を参考にしてみましょう。多くの来場者を集めたブースの位置や設営方法、資料を活用した集客など、展示会を成功へ導くために必要な知識とテクニックを紹介しています。
壁の色、目に見える動き、実際にできる体験、つっこみたくなるものを置く、積極的に声かけをしない、など自社製品の特長をフルに生かしてブースデザインに取り入れているユニークな展示について紹介しています。
展示会ブースは1小間3m×3mを基本としています。必要な広さに応じて会場のスペースをレンタルすることで、出展が可能に。広すぎず狭すぎずの適度な小間数を見極める必要があります。 ここでは、出展する際の小間数の決め方をご紹介。また、1~4小間、5小間以上の巨大ブースなど、小間数ごとにブース施工事例をまとめました。スペースの限られた1・2小間スペースならではの見せ方、20小間の広い空間を活かした集客力の高いブースなど、個性豊かな画像とともにチェックしてください.
展示会で軽視されがちなのが、ブースに掲げるキャッチコピー。しかし、キャッチの文言に知恵を巡らせることで、訪問客は2倍にも3倍にもなります。しかし、一行の言葉にも想像を超える努力が必要です。ここでは、作成プロセスを順を追って解説します。
薄っぺらいキャッチからの卒業!目に留まるキャッチコピーを作るには?
いざ展示会に出展し沢山の人に来場してもらおう!と思ってみたものの、どんなブースにすれば沢山の人に来てもらえるのかわからないという人は多いのではないでしょうか?
展示会に出展してみたものの、誰も展示には興味を示してくれず、時々来てくれたと思ったら、景品目当てか暇つぶしに立ち寄っただけの冷やかし客ばかりで、見込み客には来てもらえず、結局何の成果も得られなかったという話も良く聞きます。
実は展示会で上手くいかなかった会社のブースには共通の問題があります。それは「展示会にさえ出展すれば見込み客がある程度得られる」と考えていること。特に展示会出展の経験が少ない会社に多いです。 カッコいいブースをつくって、キレイなコンパニオンを置き、ノベルティグッズを配れば沢山の人が来ると思っている会社は意外と多いもの。そのようなブースには多くの来場者が来るとしても、会社や会社の商品に興味がある見込み顧客ではないので、結果につなげにくくなります。
展示会に出展して成功するには、「目的は何か?」「目的達成するためには何を展示すれば効果的なのか?」などについてしっかり考え、集客できるようなブースデザインに力を入れることが重要です。そのためにはデザイン力の高い施工会社にブースをつくってもらう必要があります。
比較的有利だと言われているブース位置は、広い通路に面している場所です。代表的な位置として、以下の3つが挙げられます。
自然と来場者が足を止めやすいため、デザインの自由度が高い位置です。
上記以外の位置であっても、ブースのデザインによって人の目を集め、集客に繋げられます。意識すべきは、人の流れがどこから来るのか。ブースの背面から来場者が回ってくる場合、キャッチは正面ではなく、背面から見えるように設置すると目に留まりやすくなります。
展示会が開催される会場は広いため、奥のブースまで足を運んでもらうためには、遠くからでも目立つような色使いを用いるのが効果的です。キャッチの文字も読みやすいようにサイズを大きくすると、アピールに繋げられます。
どの位置においても、来場者がブースへ入りやすいように通路側を広くとった長方形がブースの形状として最適です。正方形では入り口に立つスタッフがブロックとなり、ブースの奥まで進みにくいもの。入り口を広くするために、横長のブースを意識しましょう。
キャッチの文章は「どのような会社なのか」を来場者へ伝えるために欠かせない要素です。大切なのは、0.5秒見ただけで興味を持てる・メッセージが伝わるキャッチを掲げること。
展示会ブースのデザインで起こりやすいミスは、会社名・ブランド名を目立つようなキャッチをつけることです。展示会への参加目的が企業の認知度を高めることなら、意味のあるデザインかもしれません。しかし新規顧客の獲得が目的であれば、来場者は見知らぬ企業名・ブランド名だけを目にしても「何の会社なのか」がわからず、ブースの前を素通りします。ライバル企業がひしめく中で自社のブースへ興味を持ってもらうためには、1秒にも満たないわずかな時間で「何を扱っている会社なのか」が理解できるようなキャッチを考えましょう。
また「環境への配慮」「技術革新を後押し」など、聞き慣れた無難なフレーズは興味を引かないため、書いていないことと同義です。他社との違いが明確にわかるようなキャッチを考えましょう。
ファーストコンタクトのきっかけとなるのが、通路側のスペースです。来場者の心理として、強い興味・関心がないとブースの奥までなかなか進んでくれません。そのため興味を引くために、通路側から見える範囲での展示物を工夫する必要があります。ブース内に入らなくても、展示台に製品が並べられていると手に取ってよく見たくなるものです。
並べる製品は、会社で売り出したい製品や新商品にこだわらず、来場者の興味を引くものを選んでください。展示台は、店頭のショーケースではないのです。「詳しく話を聞きたい」「奥へ進んで他の製品も見たい」と思わせるためのスペースであることを忘れないでください。角に位置するブースであれば、通路側はL字の2面を利用できます。照明も活用しながら、製品の良さを上手く伝えられるように工夫しましょう。
人を集めるブースには、自社の製品を照らすために照明をブース内に用意しています。会場全体の照明は行動するうえでは十分な明るさですが、手元の製品をより良く見せる力はありません。また展示会ブースのデザインを考える際に、照明まで意識する企業はまだ一部に留まっています。周囲のブースと差を付けるためにも、光の当たり方を意識してください。
ただし、光の当て方をよく考えておかないと逆光になる可能性も。光は来場者が見るのと同じ角度から当てると、製品が美しく見えます。また上からの光だけでなく、展示台を乳白アクリルにして下から柔らかい光を当てる方法も。ただし照明は下から当てられるだけでは逆光になるため、上と下の2つの角度から当てましょう。
業種や企業によっては店頭に製品を並べた経験が少なく、興味を引くような製品の並べ方がわからないケースもあります。製品の並べ方は「陳列」と「展示」の2種類。陳列は商品の種類や数、構成がわかるように並べることです。展示会ブースではスペースに置ける限り製品を並べてしまうと、伝えたい製品の良さがボヤけてしまいます。そのため陳列する際は製品数をセーブし、展示台や壁に余白をあえて作るのがポイント。パッと見た時の見栄えにこだわりましょう。
展示は、商品の魅力や機能性を伝えるためにデコレーションのような並べ方をすることです。きれいに飾ることで製品やブランドの良さが引き出されます。また機能性をアピールするために実演するのも、展示のひとつ。業種や製品に合わせて、どのような見せ方が適しているのかを考えてブースをデザインしましょう。
展示会場では必要なアイテムをできるだけ多く持ち込みたいもの。しかし収納できる場所は限られています。倉庫を使えば済むのですが、会場で利用できる倉庫の収容能力は十分ではなく、置き場に困る可能性も。倉庫の大きさにもよりますが、奥に保管したものを取ろうと考えた場合、倉庫の中にある程度の通路スペースが必要です。その分収納する場所が減ってしまうため、収納できないと悩んでしまいます。
単純に収納することだけを考えれば、展示台の下をうまく利用したほうが収納可能な場合も。全面収納できる展示台だと、収容量は格段にアップします。必要な時はすぐに取り出せるのもメリットです。
展示ブースにおける収納場所はメインではないものの、大切な要素。倉庫と展示台のデッドスペースをうまく使い分けると良いでしょう。展示台に収納する方法には、完全に隠してしまう方法とすぐに取り出せるオープンな場所に収納する方法があります。うまくディスプレイして「見せる収納」にするのも悪くありません。
展示会にブースを出展すると決まった時、考えなければならないのが商談席の大きさです。ほとんどの出展業者が商談席を必要としていますが、実際の設置については慎重に判断しなければなりません。ブースの広さに余裕があれば問題はありませんが、小間数によっては、商談席を置くとそれだけでかなりのスペースを占めてしまう可能性も。商品を置く場所が限られてしまうだけでなく、商談をしていない間は全く機能していない無駄なスペースになってしまいます。
ブースが小さい場合は、商談席ではなくカウンターの方が有効かもしれません。来場者とちょっとした話をしたり、資料を広げたりするのに便利です。多くのブースを見て回りたい来場者にとっては、商談席はなかなか座りにくいもの。カウンターであれば、比較的気軽に応じてくれそうです。いきなり座っていただくよりも、展示台の前からカウンターに移動して話す方が、自然に話も進みます。
一見好みや見た目で判断してしまいがちですが、ブースのイメージを決めるには慎重に検討する必要があります。
ブースの色やイメージは出店する業者の「ブランドイメージ」や「会社のイメージ」で決めることが多いようです。しかし他と差別化を図るのであれば、それだけでは足りません。ターゲットとなるバイヤーのイメージに合わせるのが大切です。バイヤーは、自社の店舗に商品を陳列した時の状況を頭に思い浮かべながらブースを回っています。「このブースの商品を利用したい」と思わせるには、ブースのイメージをバイヤーの思い描くイメージに近づけることが必要です。
他と差別化したいなら、会場内の他のブースイメージを把握して、あえて違うイメージのブースを選ぶ場合も。周りが白いブースの中、あえて黒や赤といった強い色で印象付ける方法です。
「ブランドイメージ」「ターゲットとなるバイヤー寄りのイメージ」「差別化イメージ」のどれが有効かは出展業者の商品内容によるでしょう。施工会社によっては自社内のデザイナーがヒアリングし、参加目的や予算に応じて最適なデザインプランを提案してくれます。
最近ではA1サイズのパネルをブース内に張っている企業が増えているようです。中にはLEDパネルにして光らせている場合も。しかしパネルの設置は慎重に検討する必要があります。来場者がパネルを読む時間はせいぜい1分程度。それ以上ブースにとどまっていればおそらく出店業者のスタッフが声をかけるため、パネルは一目見るだけで理解できる内容にまとめておくのが無難です。あれもこれも読んでほしいと詰め込み過ぎるのはNG。どうしてもという場合は、パネルとは別に配布資料を用意するとよいでしょう。逆に配布資料をA1パネルにするのはおすすめしません。配布資料は手元で見るためのアイテム。壁に取り付けたパネルはどこから見るかでその文字の大きさが変わってくることから、その良さが十分伝わらない場合があるのです。
LEDパネルを使用する場合は、配置に注意しましょう。パネルは光って良く見えるものの、デモ機や商品が近くにあるとそれらが目立たなくなってしまいます。
ブースの前にスタッフが何人も立ち並び、通路を見渡しながら来場者を待つ姿を見かけますが、これでは来場者を遠ざけてしまいます。ブースを回りたい人たちは基本的に「商品を見たいけどスタッフには捕まりたくない」と思っているもの。待ち構える感じではなく、さりげなくふるまうように心がけましょう。何か作業するふりをして待つのがおすすめです。来場者に声をかける場合は斜め後ろからにすると、圧迫感がなくなります。どんなに集客できるブースを作っても、スタッフの待ち方ひとつで集客の流れは大きく変わるもの。来場者がストレスを感じずに、気軽に辿り着ける場所を作るのが重要です。
施工会社によっては、デザインしたブースのどこにどのようなスタッフを配置すると良いか教えてくれます。展示会で成功したい人は、ヒアリング時に相談してみると良いでしょう。