集客力を高める展示会ブース施工会社ガイド

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ブランディング強化のメリットと手法

ブランディングとは

「ブランディング」を理解するには、ブランドとは何かについて知る必要があります。

ブランドについては、以下のように「製品」や「商品」、そして「ブランド」に分けて考えると分かりやすいでしょう。

製品とは?

製品は、出荷待ち商品のことで、工場の倉庫内にあるものを指します。開発者が長い年数をかけて生み出した設計図に合わせ、製造スタッフが受注状況に沿ってひたすら生産し続けます。出来上がったものは、倉庫内スタッフが管理する棚に整理して置かれ、出荷待ちの状態に。この時点で顧客が関わることはなく、全て企業側のラインが動いています

商品とは?

「商品」はショップに並んでいる、販売待ちのものです。開発担当者が商品の“見せ方”を考え、ロゴやパッケージなどのデザイン、価格設定を行います。営業パーソンは、その商品をバイヤーに売るために、どのような方法でアピールするかを考えます。このような段階を経て、商品は晴れて小売店の商品棚に陳列されることになります。

ただ、商品棚には他にもさまざまなライバル商品がひしめき合っている状態です。その前を消費者が通りかかり、その時のニーズにぴったり合った場合に、商品を買い物カゴに入れてくれます。もはや衝動買いに近い状態です。

この衝動買いを起こさせるために、販促担当が知恵を絞って売り方を考えてセールを行ったり、ノベルティをつけたり、キャンペーンを展開したりといった活動を実施します。

製品の場合と同様に、企業側がリードして事にあたる場合が多いです。

ブランドとは?

「ブランド」は、生活者の心の中にあり、感情移入が伴う物やサービスを指します。例えば、強力なブランドイメージを持っているのが「アップル」や「グーグル」、「コカ・コーラ」「スターバックス」「ディズニー」など。いずれのブランドも、生活の上で独自の役割があり、単なる物やサービスではなく、生活者の感情移入を伴っているケースになります。

物やサービスに人の感情が関わると、それがその人にとって「ブランド」に変わります。つまり、生活者は「衝動買い」ではなく指名買いへ移行するようになるのです。

「ブランディング」は、できるだけ幅広い人に対して、ブランドの目立った独自性と感情移入を形成していく活動です。

売れる商品やサービス、そうでないものに関わらず、独自の役割を持たせて感情移入を起こさせる努力を続けることで、長く愛される、ロングセラーブランドに育て上げることも可能になります。

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ブランディングの種類

ブランディングは、以下のような種類に分けられます。

モノ・企業のブランディング

「何をブランディングするのか」という括りで分類した場合、「企業ブランディング」と「商品・サービスブランディング」の2種類があげられます。

企業ブランディングは、商品・サービスなどの個々の商材ではなく、「企業単体」でのブランディングを行うことを指します。「従業員」「株主・投資家」「取引先」「社会」など、全てのステークホルダーが「企業ブランディング」の対象となるのが一般的です。近年の例では、「富士重工」が「スバル」へ、「松下電器」が「パナソニック」へ企業名を変更して、ブランディングを図っています

一方、商品・サービスブランディングは、商品やサービス単体でのブランディングを指します。一般的にはマーケティング分野で行われるブランディングのため、ブランドマーケティングとも呼ばれています。日本においてブランディングは、「広告宣伝」の手法の一つという位置づけですが、欧米では、マーケティングの上位の戦略とされています。

内側・外側のブランディング

「誰にブランディングを行うのか」という括りで分類した場合、「アウターブランディング」と「インナーブランディング」の2種類のブランディングがあります。

アウターブランディングは、自社の外側に存在する、「消費者」や「顧客」などに対してブランディングを行うことを指します。

インナーブランディングはその逆で、自社の従業員を中心とした、社内の人たちに対して行うブランディングです。インナーブランディングを展開する目的には、ブランドのビジョンやミッション、ブランドバリューといったものを、従業員全員に理解してもらうこと。自分ごととして認識し、日々の業務を行ってもらうことです。

「東京ディズニーリゾート」や「スターバックス」のようなサービス業では、接客スタッフの態度や品質が、そのままブランド評価に関わります。こうした業界では、インナーブランディングは特に重要な活動となるでしょう。

消費財・ビジネス財企業のブランディング

「誰がブランディングを行うか」という基準で分類した場合、「BtoBブランディング」と「BtoCブランディング」の2種類があります。

消費財を提供するBtoC企業が展開するブランディングを「BtoCブランディング」といいます。一方、ビジネス財を提供するBtoB企業が行うブランディングを「BtoBブランディング」と呼んでいます。

「IBM」や「インテル」、「オラクル」「GE」などを代表とするグローバルBtoB企業は、ブランディングに注力しているところが多く、BtoB企業にとってブランディングは、大きな利益を生むために欠かせない活動といえます。

ブランディング強化の必要性

消費者の志向変化

日本においては、多くの業界が市場成熟期を迎えているといわれています。

人は物質的な豊かさが満たされると、やがて心の豊かさを満たしたいという欲求が働きはじめる生き物です。ブランディングは生活者の感情移入を促すものであり、そのためには、商品やサービスとしての機能を越えた、心の豊かさを満たす要素を提供する必要があります

市場競争

日本の市場の多くが成熟化していることから、必然的に顧客の奪い合いが起こります。そうした市場競争の中で生き残るには、多くの顧客に感情移入させられているか独自性を感じてもらえるかといった要素が必要です。

生活者からの感情移入と独自性の構築。それを実現させるのが「ブランディング」です。厳しい市場競争やシェア争いの中で、指名買いを継続してもらうために、ブランディングは欠かせません。

多くの人に感情移入してもらうには、実利だけでなく、感性や気持ち、価値観などにフィットするかという点がポイントになります。ターゲットの心に響き、共感・共鳴を起こすには、どのようなブランディング強化を行うべきかを、考えなければなりません。

また、商品・サービスが、ターゲットの心に響くようにするには、他にはない際立った役割や個性といった、独自性を感じてもらうことが重要になります。生活者の心にブランドポジションブランドパーソナリティを築くことで、ブランドの独自性をつくり出すことが可能です。

価格競争

インターネットの普及によって、さまざまな比較サイトが登場し、いろいろなものを比較することが容易になりました。生活者にとっては、便利なツールという認識でしかないかもしれませんが、マーケティング担当にとっては、苦難の状況でもあります。生活者の多くは、事前にスペックを比較し、商品・サービスの最低価格をチェックしています。ここに、価格競争が生じるのです。

この価格競争から脱するためには、比較されない状態をつくるしか方法がありません。

ブランディングの適切なステップを踏むことで、自社商品・サービスには、多くの生活者から感情移入してもらえるようになります。感情移入が進み、その人にとって特別な存在に位置づけされれば、比較の手順を飛ばして「指名買い」されるケースも増えていくのです。

国内の人口減少

今後、日本の人口は減少していくと予想されています。人口が減るということは、必然的に市場が縮小することになります。市場の縮小が進むにつれ、新規顧客を開拓するためのコストも高くなります。そのため、既存顧客からのリピート購入を重視していくことになるでしょう。

ただ、既存顧客が自社ブランドに愛着を持っていない場合、常に競合ブランドへの”乗り換え”というリスクが付き纏います。そして実際に、競合ブランドへの乗り換えブランドスイッチが起こった場合、自社ブランドの収益性は低下し、さらに先行投資の回収が叶わず、赤字のリスクも出てきます。

反対に、ブランディング強化でブランドへの愛着が深められれば、安定した収益基盤が得られるでしょう。

人材難

人口減少の影響を受け、優秀な人材の確保も難しくなってくるでしょう。しかし、ブランディング強化で知名度をアップし、感情移入が進めば、優秀な人材も集めやすくなります。なぜなら、新卒の就職活動では知名度の高い企業へ、優先的に応募する傾向があるため(※)です。

また、近年は「就活サイト」を活用する就職希望者が増えていますが、やはり知名度の高い企業から優先的に探そうとします(※)。

就職市場においても、ブランディングは学生からの「指名買い」を増やすための、有力な手段といえるでしょう。

※参照元:就職みらい研究所/就職白書2021(調査期間:2020年11月20日〜2020年12月15日、調査対象:民間企業等を対象に就職活動を行った全国の大学4年生・大学院2年生の男女2,111人、調査協力会社:株式会社クロス・マーケティング)

ブランディング強化を行うメリット

知名度アップと販売拡大

より多くの人に知ってもらうことで、「欲しい!」と思ってくれる人が増えていくでしょう。欲しがる人が増えるに従って、販売数量も拡大していきます。

一般的に、生活者は「有名な商品」と「無名な商品」を比較したとき、有名=安心といった理由から、「有名な商品」の方を選ぶ傾向にあります。人は知らないものより、知っているものの方に好意を抱く性質があるとされているのです。商品・サービスの知名度をアップすることで、生活者に「安心感」という感情を抱いてもらえれば、他社の商品より選ばれる確率は高くなるでしょう

最近では、SNSやレビューサイトなどを利用する人も多く、口コミの影響力はかなり大きくなっています。そのブランドに対して、ポジティブなイメージが強まれば、顧客自ら口コミによって周囲に”おすすめ”してくれる可能性も出てきます。

価格プレミアム効果

適切なブランディング強化を実行することで、高い単価でもモノが売れ続ける仕組みをつくることは可能です。

生活者にとって思い入れの強いブランドに育て上げることができれば、その結果、代替できないブランドとして確立され、多少高くても買ってもらえる可能性は高くなります。

さらに感情移入が進めば、類似商品と比較されることもなくなるでしょう。そうして「指名買い」というポジションを得ることで、価格競争に巻き込まれることなく、高い価格を維持しやすくなるのです。

リピート率の向上

既存顧客のリピート率が低い場合は、新規開拓営業にかけるコストが膨らみ、回収できないままビジネスが成り立たなくなってしまうでしょう。多くのライバル商品の中から、自社の商品・サービスを継続的に購入してもらうには、やはりブランディング強化が必要です。

生活者のブランドに対する愛着が深まるほど、高いリピート率を維持することも可能になります。

以上の他にも、ビジネスやアライアンスの機会拡大、仕入れ・広告宣伝・資金調達コストの削減、人材採用など、ブランディング強化には多くのメリットがあります。

ブランディング強化の手法

強いブランドを作るためにまず行うべきことは、ブランディングの意味をチームメンバーで共有することです。

その後、ブランドの方向性を決める作業を行います。どのような人に商品やサービスを提供するか、その商品・サービスを手にすることで最高の価値は何かといったことを、明確にしていきます。この作業を行うことで、ブランドの世界観が誕生。それをさらにブランドコンセプトへ、落とし込んでいくのです。ターゲット層やイメージ作り、価値提供などについて、さらに明確化し、ブランドコンセプトを決定します。

ブランドに対するイメージや価値を設定したら、今度はブランドの発信方法を考えましょう。ブランド名やロゴ・写真・キャッチコピーなど、生活者の視覚情報に訴える要素が必要になります。

ブランディング強化の手法を実践し、一定期間が経過したところで、アンケート調査などを用いて認知度検証を行います。

調査結果をもとに、ターゲット層の認知度をより高められるよう、商品・サービスの品質管理や宣伝方法などを改善していくことが大切です。

ブランディング強化につなげる展示会出展

展示会を単なる商品発表・紹介の場として終わらせるのではなく、来場者に対してブランディング強化を図る場として活用すると良いでしょう。

先を見据えて「商品・サービスブランディング」や「企業ブランディング」を実践し、企業のさらなる発展へのきっかけをつくることが大切です。

ブランディングを考慮した、デザインブースを設営することもポイントとなるでしょう。

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