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高額な費用をかけて展示会に出展してみたものの、出展後に効果検証を行い、効果アップのための具体的な対策を講じるまでには、至っていない企業が多いようです。
また、展示会担当と営業担当が分けられている場合も注意が必要。展示会担当は会期中に名刺獲得にのみ注力し、展示会終了後に営業担当に引き渡します。そのため展示会担当は、その後の成約数がどの程度かを把握していないケースもあります。
展示会は、出展参加すること自体を目的としがちですが、必ず他の目的があるはずです。その目的を明確にし、展示会終了後にしっかり振り返りを行い、次回の展示会出展へ生かすことが大切になります。
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まず、展示会出展の目標を設定しましょう。展示会に出展する最終的な目的は、利益を上げることですが、その目的を達成するためには、さまざまなプロセスごとに細かい目標を設定する必要があります。
代表的な目標設定項目は、以下の3つです。
展示会場では、ブースを訪れてくれた来場者と、名刺交換を行うのが一般的です。その会期中に獲得した名刺の枚数を、目標として設定します。ただし、最終目的は「利益を上げる」ことですから、自社の関係者や競合他社と交換した名刺は対象外となります。
また獲得した名刺の中には、確度の高いリードから確度の低いリードまで、見込み度の差も異なります。リードの購買意欲を可視化して区別し、今後のアプローチにつなげる必要があります。
会社のトップや部長など、役職がついているリードには3点、役職のないリードには1点などルールを設け、そのルールに沿って管理する方法も良いでしょう。
展示会の会期中に行った商談の数を、目標とする場合です。
正確な商談数をカウントするために、どこからが商談とするかのラインを決めておくことで、担当者間での認識のズレを防げます。
展示会出展から多様なプロセスを踏んで、結果としてどれくらいの受注件数が得られるかを、目標に設定する場合もあります。
製品によって、商談から受注に至るまでの時間が変わるため、それぞれの製品ごとに発注から納品までの期間を把握して、適切なタイミングで検証することが大切です。
展示会終了後は、目標に対しての結果について、大体どこの企業でも上司への報告を行っているでしょう。ただ、時間を割いて準備し、収集した名刺の数やアンケート結果などを、報告するだけで終わるのは非常にもったいないです。
以下のポイントをチェックし、効果検証を実施することで、次回の展示会出展へ役立てましょう。
展示会出展に際して、どのくらいの予算をかけ、どのくらいの効果があったのかについての、投資対効果(ROI)を算出してみましょう。投資対効果を計算し、効果を数値化することで、客観的な視点で評価ができます。
マーケティングにおける投資対効果の計算式は、以下のようになります。
ROI=利益・効果÷マーケティング投資額×100
利益・効果は、展示会での名刺の獲得枚数や成約となった売り上げなど。「マーケティング投資額」とは、展示会への出展料やブース製作費、販促物の制作費、会期中の人件費などです。
ROIの数値が高ければ高いほど、費用対効果は高いということになります。
一つの展示会だけでなく、複数の展示会に出展参加している場合は、展示会ごとの投資対効果を比較してみましょう。どの展示会が効果的か、またはどの展示会の効果が低いかといったことを、把握しておくことが重要です。
投資対効果を算出して比較一覧表を作っておくことで、次回の出展の際に、比較検討しやすくなります。
展示会への出展効果を客観的に評価し、効果が認められると判断できる場合、マーケティングの有効な手段として、展示会出展を継続していくことになるでしょう。成果だけでなく、失敗の原因も調査することで改善点の洗い出しが可能になり、次回以降の出展へ向けて、効果的な施策を打ち出せるようになります。
ブース装飾をはじめ、人員の配置、ノベルティなど、企画段階で対策が可能なものも多いです。新たに立てた仮説設定をもとに、施策を実施することで、計画の有効性も現実味を帯びてきます。
以上のように、PDCAサイクルをうまく回していくことで、より出展効果が高められていきます。
効果検証の際に大切なことは、展示会への出展をマーケティング活動の一つとして考えることです。
展示会で商談、受注まで漕ぎつけられるケースもありますが、多くの場合は、情報収集を目的に来場しています。展示会で集めた情報をもとに、インターネットでさらに情報を集め、比較するのです。
そのような顧客に対して定期的なフォローを行い、製品のリードタイムを考慮しつつ、リードナーチャリングを実行してみましょう。
展示会の出展においては、どうしても準備と設営が優先されますが、最終的な売り上げアップにつなげられるのは、「振り返り」と「改善策」の実施です。
ここでは、展示会へ出展する企業におすすめの、以下の7つのKPI(重要業績評価指標)について解説します。
展示会でブースを訪れてくれたリードが、実際に成約に至ったかどうかは、最も重視すべきKPIです。
一般的に、展示会の直後に成約できるケースは少なく、長期間に渡って効果測定を行うことになります。例えば、展示会終了から1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後のようなタイミングで効果測定を行うと良いです。
最適なタイミングを決めるには、営業活動と自社商材に適した期間を、考慮することがポイントになります。
新規の見込み客だけでなく、来訪してくれた既存顧客についても効果測定を行うことで、既存顧客への効果も明確にできます。
展示会の会期中に行った商談数と、展示会終了後に実施した商談数の、両方で効果測定を行います。
時間とスタッフの都合で、会期中に実施できる商談数は限られます。そのため売上アップに繋げるには、展示会終了後の商談を増やすことの方が重要なのです。
展示会終了後から1~2ヶ月程度は、毎週測定します。フォローアップ施策も同時に行いましょう。
プレスリリースを発信することで、取材が入らない場合でも、認知度アップへの効果はあります。
掲載依頼があった際にすぐに対応できるよう、ブースの写真や素材を、あらかじめ用意しておきましょう。
取材数が少なければ件数を記録。取材が多くなったら、広告換算値を出します。
展示会開催前後は、自社メディアの閲覧数がアップする可能性も高いです。
企業のホームページだけでなく、FacebookやTwitterといったSNSについても効果測定します。
展示会の告知を行う以前の数値も測定しておくと比較できるため、確認しておきましょう。告知の期間によって変動しますが、2~3ヶ月前から効果計測すると良いでしょう。全体の閲覧総数だけでなく、閲覧数が多い上位のページもチェックしておきます。
自社ブースへの来訪者のうち、住所やメールアドレスが取得できた見込み客の数です。なるべく確度の高いリード数を、獲得するのが理想的。
まずは効果測定を行い、コンバージョン率に応じて、より多くのリード数を集めるか、確度の高い来訪者に絞るかなど、次回の出展へ向けた方針を決めていきます。
自社ブースへの来訪者数について測定を行い、新規のリード数や展示会全体での来場者数などと比較します。訪問者数が多いから成功というわけではありません。ターゲット顧客に限りなく近い来場者を、多く引き込めるかが成功の鍵です。
展示会の準備や運営、その後のコストまで、細かく計上します。
コストを増やせば効果が高まるわけではなく、コストカットすれば効率がアップするわけでもありません。結果として売り上げを向上させるには、どこにコストをかけるべきかを見極めることが大切です。