集客力を高める展示会ブース施工会社ガイド

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展示会ブースでのパネルを使った効果的なレイアウトは?

展示会ブースでのパネルの役割とは?

パネルは比較的安く利用できるため、ブース設営によく使われるツールです。会社のアピールや商材の特徴などで構成し、来場者に魅力を伝えるために使用されるパネル。パネルの内容には、出展者のスタンスやセンスが顕著に現れます。ブース全体のイメージに関わるため、たかがパネルと侮らず、ポイントを抑えて効果的なパネルをつくることが出展成功のカギになるのです。

展示会ブースでのNGなパネルレイアウト

パネルは出展製品をPRするにあたり、作りやすくて扱いやすいため、多くのブースで利用されます。しかし、効果的な使い方は体系化されていません。製品PRとしてだけでなく、照明効果も期待できる便利なパネルですが、展示会の会場では間違った使い方をしているブースを見かけることも…。ここでは、展示会ブースにおいて、パネルの特性が発揮できていない“NGな例”をご紹介します。

製品から得られるメリットを明示していないパネル

製品名や製品のカテゴリばかり強調し、顧客が「その商品を得ることで、どんな問題を解決できるのか」というメリットが説明されていないパネルはNGです。もちろん、製品名自体が来場者のベネフィットを明確に表しているものであれば、問題ありません。

来場者は、製品名やカテゴリ名に興味を持つのではなく、その製品がどんなことに役に立つのか、そしてどんな結果を生んでくれるのかに興味を感じるものです。そのため、来場者に課題解決をイメージさせる、突っ込んだ内容になっていない場合は、パネルの効果は薄いでしょう。

さまざまな課題やニーズに応えられる製品であれば、複数のベネフィットを掘り下げて明示する必要があります。

例えば「フライパン」を展示する場合。「フライパン」というカテゴリ名を打ち出すだけでは、来場者はその製品に、従来品と違う、どんな魅力があるのか分かりません。「フライパン」の魅力を的確に伝えるには、「耐久性が高くて長く使える」や「子供でも使いやすい軽さ」などといった、ベネフィットに触れることが重要です。

自社アピールが濃すぎるパネル

自社の製品や技術に自信を持っている場合は、パネルの内容が詳細になりすぎる傾向にあります。情報を詰め込みすぎると、来場者が読むのに疲れてしまい、製品の魅力を伝え切れません。なかなか商談まで漕ぎ付けられない状態が続き、最終的に展示会への出展自体が不発に終わる可能性もあるのです。

商談へスムーズに進むには、来場者目線でパネルを構成する必要があります。特に、技術系のスタッフがパネルの構成を考えた場合、パネルの隅々まで情報を詰め込んでしまうケースが多いようです。余白がなくなってしまうと、文章を読むことに慣れていない来場者は、読む前に疲弊します。また文章量が多く余白が少なすぎると、デザイン的にも良い印象を与えません。来場者が知りたいのは、技術そのものではなく、あくまでもその技術を使って作られた製品が自社にとって有益かどうかです。「情報の詰め込みすぎ」「過剰な自社アピール」には気をつけましょう。

訴求ポイントが明らかにされていないパネル

パネルを、デザインの知識が乏しい自社スタッフが担当した場合、どこに注目したら良いのか、ポイントが散漫していて、要領を得ないパネルになりかねません。またデザインにも一貫性がないケースも多く、見づらいパネルになることも。ただ、プロのデザイナーに依頼した場合でも、デザインにこだわるあまり訴求ポイントが疎かになり、来場者へのアピール不足に陥るケースもあります。以上のような状況に陥る原因として、会社側の伝えたいことが優先され、来場者の疑問に応えていないことが考えられます。これでは、来場者が見るべきポイントを発見できず、迷子になってしまいます。

来場者は、通路からすぐにブース内に立ち入る方ばかりではありません。少し離れたところから、ブースの様子やパネルを眺め、自社に必要かどうかを探る来場者も、少なからず存在します。そのような時に、パネルのデザインやレイアウトが来場者の欲求を埋めるものになっていない場合、来場者はブースに立ち入らずに去ってしまうケースも多くなるでしょう。

素人がデザインを考える場合はもちろん、プロに依頼する場合にも、十分に打ち合わせを重ねる必要があります。

来場者の反応を予想できていないパネル

パネルに記載された情報を読み終えた後、来場者がその内容について、薄いリアクションを見せる場合があります。それはパネルデザインに、ブース内でのフォローが考慮されていないことが原因です。

パネルはブースを構成する素材の一つであり、来場者の欲求を引き出すものでなければなりません。パネルにどんな役割を持たせるのかを考えなければ、展示する意味のない、ただの装飾の一部となってしまう可能性もあります。的確なパネルデザインを考えるだけでなく、来場者とのコミュニケーションを想定し、スタッフの立ち回り方をマニュアル化しておくと良いでしょう。

パネルレイアウトで効率的に集客するには?

展示会ブースは、顧客目線で設営することを基本に考えましょう。パネルの内容を来場者主体にすると、新規顧客や見込み客の獲得などに、格段に役立つ素材となります。ただ、パネルの中身が良くても、レイアウトに注意を払わなければ、せっかくの効果が半減してしまう可能性もあります。ここでは、人間の消費心理「AIDMA(アイドマ)の法則」を応用した、パネルレイアウトをご紹介します。

「AIDMA」は、「1:Attention(注意)」「2:Interest(関心)」「3:Desire(欲求)」「4:Memory(記憶)」「5:Action(行動)」の頭文字を合わせたものです。展示会ブースにおいては、この一連の法則の中でも、特に「Attention(注意)」と「Desire(欲求)」の部分を意識すると良いでしょう。

【Attention(注意)】ブースの両端にアイキャッチ用のパネルを置く

展示会ブースでパネルを使用する際、来場者の目を引くためのパネルを両端に設置することで、より注目を集めやすくなります。展示会では美術館などのように、順路が設けられているわけではありません。来場者は、会場内のブースをあちこち行ったり来たりするため、通路側へパネルを設置することで、目にとまる機会が増えるのです。また、ブースの中央にパネルを置いた場合、意外にも来場者からは見えづらくなります。アイキャッチ目的でパネルを置く際には、ブースの両端へ置くようにしましょう。

【Desire(欲求)】来場者の欲求を刺激するキャッチコピーをつける

アイキャッチパネルで来場者の注意を誘った後は、来場者の購買意欲を高める仕掛けが必要になります。来場者の欲求を刺激するには、キャッチコピーが最適。キャッチコピーは、製品や会社のセールスポイントを一文でまとめたものです。アイキャッチパネルと一緒に、あるいは近くにキャッチコピーを設置することで、相乗効果が得られる可能性も高くなります。

その製品を使うことで、どんなメリットがあるのかを、イメージさせるキャッチコピーを考えましょう。

例えば、「経費の大幅な削減を約束します」という表現に、「1年で25%の経費を削減」などのように具体的な数字を入れると、訴求力がアップします。

回遊率を上げるための動線の確保

アイキャッチパネルとキャッチコピーを考えたら、今後はブース内の動線を設計しましょう。来場者にブース内の展示物を隅々まで見てもらえるよう、パネルに番号や矢印などをつけたり、製品の並べ方を工夫したり、ブース内のレイアウトを整理します。こちらが想定した順路通りに来場者がブース内を進めば、名刺交換や商談へとスムーズに移行することが可能になります。