公開日: |更新日:
どれだけ良い商品やサービスを作ったり、コスト管理を徹底して効率化を目指したりといったことを行っても、商材が売れなければ経営は成り立ちません。
会社の経営基盤を強化するためには、営業力や販売力をアップさせることが非常に重要だと言えます。
営業の中で特に重要なのは、新規開拓営業です。もちろん、企業の規模が大きく、製品やサービスが安定していて、一定のマーケットシェアを確保している場合は、既存顧客へのフォローに徹するだけで良いかもしれません。新規営業には、既存顧客のフォローに比べ、約5倍のコストが必要とされています。
しかし、新規営業は会社の発展・維持のために欠かせないのも事実。営業パーソンにとっても負担の大きい仕事ですが、外せない業務なのです。
また、既存顧客は他社に奪われる可能性も考慮するべきでしょう。そこで新規営業を行い、新たな収入源を確保する必要性が出てきます。企業の業績維持を図るのであれば、やはり新規営業は重要であると言えます。
新規営業をうまく進めるには、組織レベルで体制が整っていることがポイントです。ここでは新規営業を行うにあたって、陥りやすい課題について解説します。
企業として年間の売り上げや営業利益などの目標を設定していたとしても、営業戦略が明確にできていなければ、目標達成は難しくなります。
目標を達成するには、「ゴール」を決めることに加え、「戦略・戦術」をしっかり立てることが重要です。
商品やサービスを、「どういう相手に販売するのか」という大まかなターゲット層は決まっている場合でも、顧客を正確に絞り込めていないことがあります。
例えば、家具のメーカーが商品を販売する場合、インテリアショップや量販店、インターネット、卸会社など、さまざまな販売ルートが考えられます。しかし、ターゲットが不明瞭な場合、それらの幅広い販売ルートの中から、どのように優先順位をつければ良いのか、分からないこともあるでしょう。その結果、付き合いの長い取引先やアプローチしやすい相手など、ぼんやりとした条件で販売ルートを決定してしまうこともあるのです。
営業パーソンが2〜3人の小規模な企業の場合は、ターゲットが明確化されていなくても通用するかもしれません。しかし営業が組織化されるほど、ターゲットを明確化することは重要になります。
営業パーソンによって、当然ながら営業スタイルも異なります。とはいえ、顧客のタイプを考えず、どの顧客に対しても自分の営業スタイルを押し通そうとすると、無理が生じます。
例えば、大口の顧客と小口の顧客に対して、同じようなアプローチをかけた場合。一方の顧客には特に問題が生じなかったとしても、他方で無駄が生じる可能性があります。それが結果として取りこぼしにつながるのです。
もちろん、営業パーソンの得意なやり方で個別にアプローチしても、うまくいくケースはあるでしょう。ただ、顧客のタイプに合わせたアプローチをとる方が、より効率的だといえます。
ターゲットの選別が十分にできていない場合、成約につなげられる可能性も大幅に下がります。営業先のマッチングミスを防ぐには、相手にどのような要望があり、どのような課題を抱えているのか、企業のニーズを汲み取ってアプローチすることが重要になります。
営業パーソンは、どうしても自社商品・サービスを売り込むことを意識しすぎる傾向があります。しかし、営業の目的は「商材を売る」ことだけではありません。顧客に商品やサービスを提供することで、顧客が抱える課題を解決し、満足してもらうことです。新規営業を行う際には、商品の魅力だけでなく、その商品を手に入れることでどのように課題解決に導けるのかという点を訴求することが大切です。
訴求ポイントのズレや訴求不足を防ぐには、顧客目線でのアピールを心がけましょう。
「BtoB」にしろ「BtoC」にしろ、ビジネスを成功させるには、タイミングが重要です。例えば、展示会やセミナーで集めた見込み顧客に対して、イベント後にフォローを入れずに放置しておくと、競合他社に先を越されてしまうことがあります。
また営業のテレアポを行う際にも、電話をかけるのに最適な時間を見極める必要があります。忙しい時間帯に電話を入れてしまうと、迷惑がられたり、不在であったり、結局無駄に終わってしまうことが多いもの。顧客の現在の温度感・状況を意識して、タイミングを図ることが大切です。
展示会ブースの施工業者は?
おしゃれな装飾・デザインを任せられる
おすすめの会社3選を見る
初めに行うべきことは、営業戦略を明確にすることです。
まず、ゴールを設定します。ゴールは、先に上げたような「売り上げ」や「営業利益」など。また、「会社としてのあり方」といったものを目標としても良いでしょう。
次に、ゴールに対しての戦略を立てます。戦略は、目標の方向性を決め、どのようなルートを辿ってゴールを目指すか、すべきことは何かという、シナリオをつくる作業です。例えば、ゴールに向かう間に山がある場合、「山を登ってゴールを目指す」、あるいは「迂回路を通る」、または「トンネルを掘る」といったルートが「戦略」になります。
これに対して、「戦術」は戦略の進め方になります。戦略を実行するために必要なものを調達し、進めていく手段です。
戦略を立てる際には、企業の現在のポジションを把握することが大切です。その上で、現在から目標までの通過点にマイルストーンを設定。そうすることで、ゴールを見失うことなく進めるようになります。
戦略を決めたら、その戦略に沿ってターゲットとする顧客をリストアップしていきます。顧客のリストアップには、「セグメンテーション」「ターゲティング」「ポジショニング」(STP)の3ステップを活用することが多いです。
セグメンテーションでは、顧客が抱える課題を基準に、顧客を分類するための適切な軸を見つけます。次のターゲティングでは、セグメントで分類した顧客の中のどのケースから攻めるかを決めます。3つ目のポジショニングでは、ターゲット市場で、どのように自社のポジションをとるかを決定します。具体的には、価格で勝負するのか、あるいは付加価値で勝負するのかといったことがポジションになります。
次に、ターゲット顧客のグループごとに営業方針を決めます。一つの強力な営業手法があれば理想的ですが、多くの場合、グループごとに異なるアプローチを実行することになるでしょう。
例えば、大口の顧客には密接なコミュニケーションが有効であり、小口の顧客には、電話やDMなどでの営業。認知度が低いグループには、展示会やセミナーを通じて認知度アップを図るという手法が有効かもしれません。
限りあるコストの中で最大の効果を発揮するためには、顧客のグループ化を行い、グループごとに的確な営業活動を行うことが大切です。
一つの顧客グループの中にも、それぞれ異なるステップが存在します。
例えば、これからアプローチをかける顧客なのか、すでに担当者と面識がある顧客なのか、商談がまとまりかけている顧客なのか。
このようなステップごとに、顧客の管理を行い、次のステップへと進める手法や対策を考える必要があります。
展示会場は、自社の事業に関連する人たちとの新たな出会いの場です。部署や役職などにかかわらず、直接コミュニケーションがとれるため、新規営業につなげられるきっかけを得るには最適といえます。