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ビジネスにおいて、過去に自社商品やサービスの購入歴があり、会員登録まで済ませていながら、その後の利用歴がない顧客のことを、休眠顧客といいます。
休眠顧客へアプローチを行う際は、その顧客がなぜ休眠するに至ったかを考え、それぞれの理由に合わせたアプローチ方法をとることが重要です。
休眠顧客になる代表的な理由には、以下のようなものがあげられます。
第一に考えられるのが、「購入した商品に、何かしらの不満を感じた」というもの。あるいは、「購入時のスタッフの接客が不適切だった」というようなことです。また、「値段のわりに効果が薄い」といった、コストパフォーマンスへの不満も考えられます。
商品やサービスに対する不満はないものの、顧客の方で状況が変わったことで、商品が不要になったケースも考えられます。また、初回半額などの特典に誘われて購入した顧客や、サンプルのみで購入には至らなかった顧客も、このケースに含めて考えても良いでしょう。
商品を気に入ってはいたものの、その後により手に入りやすくて使い勝手が良い別の商品や、その他の新商品などを試しているうちに、以前購入したことを忘れているケースも考えられます。
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休眠顧客の掘り起こしを行うことで、再び自社商品を購入してくれる可能性が高くなります。休眠顧客がなぜ休眠したのかの理由を探り、その問題が解決できれば、顧客として復活することは十分考えられます。
また休眠顧客が多い場合は、何が原因かを探ることで、自社商品やサービスの改善にもつなげられるでしょう。再び顧客になってもらえない場合でも、このようなフィードバックが得られることで、今後の会社の成長に役立てられます。
会社の売り上げを安定させるには、顧客を増やし、自社商品やサービスを定期的に継続して購入してくれる優良顧客へと育てていくことがポイントになります。
顧客の母数を増やすには、新規顧客の開拓だけでなく、休眠顧客へもアプローチして掘り起こしを行うことが大切です。一から新規開拓を行うよりも、休眠顧客の掘り起こしを行う方が効率的であり、集客もしやすく、コストも抑えられます。
休眠顧客をアクティブ顧客にするには、休眠した理由を考えることが重要です。休眠した状況に応じて、理由を探ってみましょう。
他社と比較した際に、価格設定が高かったり、価格に対して商品の品質が見合っていなかったり、といった不満がある場合。以前よりリーズナブルな料金プランを提示する、クーポンやポイントなどの特典をつける、期間限定のキャンペーンを実施するといった方法が有効です。商品自体に不満を抱いているわけではないため、アプローチ次第で、顧客に戻ってくれる可能性は高いと言えます。
一度は購入してくれたのにも関わらず、商品やサービスのどこかに不満があり、休眠顧客になってしまった場合は、アンケートを実施して、そこから問題点を探ります。問題点が見つかったら、休眠顧客へ向けたキャンペーン企画などを行い、問題点が改善されたことをアピールすることで、休眠顧客から脱してもらいやすくなるでしょう。
商品を購入して試してみたものの、思うように活用できなかったり、他のサービスに魅力を感じていたり、などの理由がある場合は、商品の活用法の紹介や魅力をアピールしてみましょう。それまで発見できなかった魅力を再認識してもらえれば、再び購買意欲を高められる可能性があります。
休眠顧客を掘り起こすことで利益につながることは承知しているが、具体的なアプローチ方法を知らないという場合もあるでしょう。一般によく活用されているアプローチ方法は、折り込みチラシやポスティング・電話・メール・FAX・DM・訪問営業などです。
ここでは以下のアプローチ方法について、メリットとデメリットを解説します。
電話でアプローチする場合は、訪問営業の際もそうですが、対象となる顧客へ、直接アプローチできるというメリットがあります。一方で、電話や訪問での営業には、嫌がられたり、不信感を抱かれたりというケースも。そのため、断られる確率も高いのがデメリットです。さらに、相手に話を聞いてもらうところまで漕ぎ着けられなければ、無駄骨に終わってしまいます。
電話でのアプローチでは、最初の数十秒間で、いかに相手に信頼感を与え、また取引したいと思わせられるかがポイントです。そのため、電話でのアプローチ方法には、営業スキルの高さが求められます。
経験の浅い営業パーソンには、リスクが高いアプローチ方法といえるでしょう。
DM(ダイレクトメール)やEメールでのアプローチは、休眠顧客が自分のペースで見られるため、最もソフトなアプローチ方法です。その上、ターゲットに的確にアクセスできるため、インパクトや分かりやすい文章を意識することで、成功率も高くなります。
ただ、休眠顧客に興味を持ってもらえなければ、開封されることもなく、捨てられて終わりという結果に。また、DMの場合は、印刷や封入などにコストがかかり、相手に届くまで時間を要するというデメリットもあります。
比較的コストが抑えられるアプローチ方法に、FAXDMがあります。FAXDMは、原稿を作成したら送信するだけなので手軽にでき、一度に数千件もの顧客に配信することが可能。FAXを受け取った相手は、DMのように開封することなく、その時点で内容を読んでくれる可能性が高いです。興味のありそうな内容で構成することで、成功率はぐっと高まります。受け取った人から部署内外の人に回覧される場合もあり、より多くの人に情報を知ってもらえる見込みもあるでしょう。
紙媒体である以上は、記載できる分量も限られますが、末尾でWebへ誘導することで、さらにたくさんの情報を与えることも可能です。
一旦掘り起こした休眠顧客が再び休眠するのを防ぐには、定期的にコミュニケーションをとることが大切です。単に営業メールやDMを送るだけでなく、相手にメリットのあるコミュニケーションを心がけましょう。
またDMやメールをあまり頻繁に送りすぎると、面倒がられたり、無視されたりする可能性もあります。メッセージを送る際には、顧客にとって有益なメールを、適切なタイミングで送ることがポイントです。
例えば、ポイントの失効期限が迫っていることを知らせるメールを送れば、メールの開封率を上げ、購買につなげられるチャンスも高まります。
顧客の状況を正確に把握し、ニーズに合わせたサービスや情報を最適なタイミングで発信することが、顧客の購買意欲を刺激し、再休眠を防ぐことにもつながります。
展示会の自社ブースには、既存顧客はもちろん、休眠顧客があいさつを交わすために訪れる場合もあります。展示会への出展が、新規顧客の獲得につなげることを目的としている場合でも、既存・休眠顧客との信頼関係を強めることも考慮しましょう。
また、既存・休眠顧客は、自社の情報を十分知っているつもりという人も少なからずいます。簡単なあいさつだけで済ませず、新規顧客と同様に接客することが大切です。
休眠顧客の掘り起こしに、展示会へ招待することも有効です。展示会に出展する際は、必ずメールなどで休眠顧客へ告知しておきましょう。